講評
1~3年では、歯みがきをする自分を描いて、健康な歯や歯みがきの大切さを表した作品が多く見られました。クレヨンやパス、水彩絵の具など多様な描画材が使われ、スタンピングや バチックなどの技法も見られました。低学年の作品には画一的な表現が多くみられました。児童の「これを描きたい!」という思いに寄り添って描き方の手順や技法を指導することが望ましいと考えます。その中でも、自分なりに描き方を工夫して、自分の歯を大切にしたいという思いや願いが伝わってくるものを選びました。
4~6年では、歯の健康を守るためにどんなメッセージを伝えるとよいのか、自分なりの考えをしっかりとまとめ、見る人が楽しめるように表現しようとしている作品が多く見られました。また、自分の体験や経験をもとに、願いを込めて描かれている作品も多く、見る人の気持ちをあたたかくしてくれました。選定にあたっては、自分のテーマを伝えるためには、どのような形や色にするべきかなど、最後まで粘り強く考えたことが分かる作品、イメージを楽しみながら豊かに広げ、細部まで丁寧に表現されていることが分かる作品を選びました。
上位入賞の作品には、歯みがきだけでなく栄養摂取などの生活習慣も大切にしながら丈夫な歯をつくろうという主題が表れた作品が選ばれています。それらの作品からは、成長期の今だけではなく8020運動のテーマにあるように高齢になるまで歯を大切にしていきたいという願いが伝わってきました。また、表したいことを効果的に表すために色彩や構図の工夫はもちろん画材や技法の工夫がある作品が多くみられ、表現の多様性が感じられました。
コロナ禍で学校や園では「静かに黙って歯を磨きなさい。」という指導もあったように思い ますが、歯みがきを楽しんでいる様子や歯を大切にしたいという願いが伝わり、見ているこち らも楽しい気持ちになりました。本コンクールへの参加を通して子どもたちが自分の歯を大切 にしようとする気持ちや歯みがきの習慣づくりの育成につながっていることを願っています。