公益社団法人 岐阜県歯科医師会

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第63回 岐阜県学校歯科保健研究大会レポート

特別講演

「口腔の健康科学」・・・口腔・顎・顔面の外傷

講 師:岐阜大学大学院医学系研究科口腔外科学分野
名誉教授  柴田 敏之

 口腔は、栄養摂取、呼吸に関わり消化器系、呼吸器系器官の入り口としての役割を担っています。この口腔機能・咀嚼能力も身体の発達と同様に各ライフステージに応じて、発達期・維持期・減退期等の各期を推移して行きます。そして、口腔の健康状態が各ステージに於ける口腔機能の発達の促進、機能の維持に重要となって来ます。

 一般に、口腔の健康が損なわれる疾患としてう蝕(むし歯)、歯周病が挙げられ、我々が歯を失う殆どがこれらに起因しています。これらの疾病は生活習慣病とも位置付けられ、基本的には予防可能なものと考えられます。一方、口腔の疾患の中には、発達に伴う腫瘍や嚢胞などの内因性とも位置付けられる疾患もある一定の頻度で生じて来ます。また、外傷の様に外因性に口腔の健康に影響を及ぼす場合もあります。

 今回のテーマの一つでもある口腔領域に生じる外傷は、歯・歯槽などの歯周組織に生じるもの、口唇、舌、頬粘膜などの軟組織に生じるもの、そして、顎骨、顔面皮膚に生じるもの等に大別することが出来ます。この内、学童期に多いものとして歯・歯槽の歯周組織、口唇に生じる外傷、即ち、歯牙硬組織組織の欠損(歯が欠ける)、歯の脱臼、歯槽骨骨折が挙げられます.口腔に生じる疾患の治療は、口唇口蓋裂や顎変形症などの発達障害に起因するもの以外は、ほぼ全て「罹患する前の状態に可及的に復する」ことがゴールとなります。これは、前述した口腔機能の各ライフステージに応じた健やかな推移を齎すためとも云えます。

 本講演では、口腔・顎顔面外傷について述べると伴に、口腔の発生・発達や如何に口腔の形態と機能を護ることが重要なのか等について概説させて頂きます。

講師略歴

1983年
北海道大学歯学部 卒業
北海道大学歯学部口腔外科学第一講座 医員
1990年
北海道医療大学歯学部口腔外科学第二講座 助手
北海道医療大学歯学部口腔外科学第二講座 講師
1997年
北海道医療大学歯学部口腔外科学第二講座 助教授
2001年
岐阜大学医学部口腔外科学講座 教授
2004年
岐阜大学大学院医学系研究科口腔外科学分野 教授
2021年
同上 退任 岐阜大学 名誉教授